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有機化学:アクリジンラジカル光還元剤の発見と特性評価

Nature 580, 7801 doi: 10.1038/s41586-020-2131-1

光誘起電子移動(PET)は、化学種による光吸収によって電子移動反応のエネルギー的な駆動力が生じる現象である。この機構は、天然光合成や人工光合成、光起電力技術、感光性材料の研究など、多くの化学分野に関連性がある。近年、光酸化還元触媒反応の分野における研究によって、PETを用いて中性有機フリーラジカル種と荷電有機フリーラジカル種の両方を触媒的に生成することが可能になった。これらの技術は、これまで不可能であった化学変換を可能にし、学術界と産業界のいずれにおいても広く用いられるようになっている。そうした反応は、可視光を吸収する有機分子や、ルテニウム、イリジウム、クロム、銅の遷移金属錯体によって触媒されることが多い。さまざまな閉殻有機分子が光酸化還元反応において優れた電子移動触媒として振る舞うことが示されているが、中性有機ラジカルが励起状態のドナーやアクセプターとして関与するPET反応に関する報告はわずかしかない。これは、中性有機ラジカルの二重項励起状態の寿命は一般的に、既知の遷移金属光酸化還元触媒の一重項励起状態の寿命よりも数桁短いため、意外ではない。今回我々は、最高励起状態の酸化電位が飽和カロメル電極に対して−3.36 Vの中性アクリジンラジカルの発見、特性評価、反応性について報告する。このアクリジンラジカルは還元力が元素状リチウムと同等であり、これまでに報告された中で最も強力な化学還元剤の1つである。分光学的研究、計算研究、化学的研究から、ねじれた分子内電荷移動種が形成されることでより高いエネルギーの二重項励起状態の分布が可能になり、観察された強力な光還元挙動につながることが示された。我々は、この触媒的に生成したPET触媒が、通常はアルカリ金属還元剤を必要とする数種の化学反応を促進するとともに、溶解金属還元剤を必要とする他の有機変換にも使用できることを実証する。

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