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神経科学:感覚皮質符号化の忠実度の本質的な限界

Nature 580, 7801 doi: 10.1038/s41586-020-2130-2

神経活動が確率的であるにもかかわらず、脳がどのようにして情報を正確に処理するのかは、長年の疑問である。例えば知覚は、脳が感覚ニューロンのノイズの多い変動から抽出することのできる情報によって、基本的に制約されている。萌芽的実験からは、感覚皮質ニューロン集団の相関ノイズが符号化の精度を制約すると示唆されているが、相関ノイズが神経符号に与える影響についての議論は決着していない。最近の理論的研究では、ノイズの絶対強度よりも、ニューロン集団の感覚調整の特性が相関ノイズのパターンと統計的にどう関連しているかが、符号化精度のより大きな決定要因だと提唱されている。しかし、同じ感覚入力を共有する数千個の皮質ニューロンの同時記録なしには、相関ノイズが符号化の忠実度を制約しているかどうか知ることはできない。今回我々は、16ビームの2光子顕微鏡を用いて、マウスの一次視覚野全体の活動をモニターするとともに、大きなニューロン集団によって伝達される情報の量を解析した。その結果、視覚野では、相関ノイズが800〜1300個のニューロンからなる集団の信号伝達を拘束していることが分かった。集団的変動の複数のノイズ成分は、集団サイズと符号化された視覚信号に比例して大きくなり、予測通り相関による情報の制約が明らかになった。注目すべきことに、最も大きなノイズの振動モードは視覚信号と直交しており、従って符号化の忠実度を制約してはいなかった。情報を制約するノイズの振動モードはその約10分の1の大きさで、マウスの視覚精度と一致していた。このように、皮質の設計原理はノイズゆらぎの約90%を信号伝達の忠実度に影響しない振動モードに制限することで符号化の精度を上げる一方、はるかに弱い相関ノイズの振動モードは感覚弁別を本質的に拘束にしていると見られる。

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