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分子生物学:U1 snRNPはノンコーディングRNAのクロマチンでの保持を調節する

Nature 580, 7801 doi: 10.1038/s41586-020-2105-3

長鎖ノンコーディングRNA(lncRNA)や、プロモーターあるいはエンハンサーに結合した不安定な転写産物はクロマチンに選択的に位置していて、その一部は、クロマチン構造や転写、RNAプロセシングを調節している。lncRNAのXist中の反復配列や長鎖RNAのAlu様エレメントなど、核への局在を引き起こすRNA塩基配列は複数見つかっているが、lncRNA がクラスとしてクロマチンに他よりも多く存在する仕組みは分かっていない。今回我々は、ランダムな変異誘発と組み合わせたハイスループットな方法を考案し、「mutREL-seq(RNA elements for subcellular localization by sequencing)」と命名した。この方法を用いたところ、U1核内低分子リボ核タンパク質(snRNP)を認識するRNAモチーフが1つ見つかり、これがレポーターRNAをクロマチンへ局在させるのに不可欠であることが分かった。クロマチンに結合したlncRNAは、ゲノム全体にわたって5′スプライス部位に豊富に存在し、3′スプライス部位には非常に少なく、また、細胞質に局在するメッセンジャーRNAと比べるとU1 snRNAへの結合レベルが高かった。U1 snRNAあるいはU1 snRNPタンパク質の構成要素であるSNRNP70を急性除去すると、数百のlncRNAや不安定な転写産物のクロマチンとの結合が顕著に減少したが、細胞の全体的な転写率は変化しなかった。また、SNRNP70を迅速に分解すると、新生lncRNAおよびポリアデニル化lncRNAの両方の転写産物のクロマチンへの局在が減少し、lncRNA Malat1の核およびゲノム全体での局在が崩壊した。さらに、U1 snRNPは転写を行っているRNAポリメラーゼIIと相互作用する。これらの結果は、U1 snRNPは、lncRNAを転写依存的にクロマチンに係留したり、クロマチンに誘導したりする働きを広く行っていることを示している。我々の知見によって、U1 snRNPがmRNA前駆体のプロセシング以外に、これまで知られていなかった役割を持つことが明らかになり、また、lncRNAが調節部位に誘導されて、クロマチン関連機能を実行する仕組みについての分子レベルでの手掛かりがもたらされた。

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