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発生生物学:ヒト分節時計のin vitroでの特性解析
Nature 580, 7801 doi: 10.1038/s41586-019-1885-9
脊柱の分節構造は胚形成の初期に、体節の対が未分節中胚葉(PSM)より周期的に生み出されることで形成される。体節形成の周期は、発現量の振動が見られる分子振動子(オシレーター;分節時計として知られる)によって制御されている。このオシレーターはモデル生物においてよく解析されてきたが、ヒトに同様のオシレーターが存在するかどうかは分かっていなかった。重度の脊椎分節異常のある患者の遺伝学的解析から、マウスの分節時計に関わる周期的発現遺伝子といくつかのヒト相同遺伝子との関連が示され、オシレーターがヒトで保存されている可能性が示唆されている。今回我々は、in vitroで作出したマウスやヒトのPSM細胞が分節時計の振動を再現することを示す。ヒトPSM細胞ではマウスPSM細胞の2倍長い周期での振動が見られるが(ヒトで5時間、マウスで2.5時間)、これらの細胞はマウスと同様にFGF、WNT、Notch、YAPシグナル伝達により調節を受けた。単一細胞RNA塩基配列解読から、in vitroにおけるマウスとヒトのPSM細胞は、in vivoでのマウスPSM細胞と同様の発生経路をたどることが明らかになった。さらに、FGF シグナル伝達が振動の位相と周期を制御することが実証され、FGF経路の役割が「clock and wavefront」モデルにおける従来の解釈を超えることが分かった。ヒトの分節時計を同定した我々の研究は、ヒトの発生生物学の理解における重要な節目となる。

