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化学:in situ NMR計測によって明らかになったレドックスフロー電池における反応機構

Nature 579, 7798 doi: 10.1038/s41586-020-2081-7

再生可能エネルギーの生成と消費のバランスを取るために、大規模なエネルギー貯蔵がますます重要になっている。安価で持続可能なレドックス活性物質でできた有機レドックスフロー電池は、バナジウム電池よりも安価で環境への危険性が低い有望な貯蔵技術だが、寿命が短く、エネルギー密度が低い。そのため、性能を向上させるには、分子レベルでの基礎的知見が必要である。本論文では、レドックスフロー電池を調べる2つのin situ核磁気共鳴(NMR)法について報告する。我々はこれらを、2つのレドックス活性電解質、すなわち2,6-ジヒドロキシアントラキノン(DHAQ)と4,4′-((9,10-アントラキノン-2,6-ジイル)ジオキシ)ジブチラート(DBEAQ)に適用した。第一の方法では、電気化学セルから流出する液体電解質の1H NMRシフトの変化をモニターし、第二の方法では、電気化学フルセルにおいて正極と負極で同時に起こる変化を観測する。我々は、バルクの磁化変化(水の共鳴の1H NMRシフトを通して観察される)と、充電状態の関数としてのキノンの共鳴の1Hシフトの線幅拡大を用いて、2つの一電子対の電位差を測定し、還元種と酸化種の間の電子移動速度を特定・定量化し、ラジカルアニオン上の不対スピンの電子非局在化の程度を決定した。これらのNMR法によって、電解質の分解と電池の自己放電をリアルタイムで調べることが可能になり、DHAQを電気化学的に分解する反応が充電時に用いる電圧を制限することで最小限に抑制できることが示された。我々は、今回のNMR法が、フロー電気化学システムなどの電気化学システムにおけるさまざまなレドックス過程の解明に応用されると予想する。

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