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ナノスケール材料:グラフェンの気体不透過性の限界

Nature 579, 7798 doi: 10.1038/s41586-020-2070-x

無欠陥グラフェンは、わずか原子1個分の厚さしかないにもかかわらず、全ての気体や液体を全く通さないと考えられている。この結論は、理論に基づいており、毎秒105〜106原子という検出限界内においてマイクロメートルサイズの膜で気体の透過を検出できなかったという実験結果によって裏付けられている。今回我々は、グラフェンで密閉した小型の単結晶容器を用いて、無欠陥グラフェンが不透過性であることを、これまでの実験より8〜9桁高い精度で示す。我々の手法では、毎時わずか数個のヘリウム原子の透過も認識できるが、実際は観察されず、この検出限界は、水素を除く、調べた全ての気体(ネオン、窒素、酸素、アルゴン、クリプトン、キセノン)でも有効だった。水素は、ヘリウムよりも分子サイズが大きく、より高いエネルギー障壁を経るはずだが、著しい透過を示した。この不可解な観測結果は、分子状水素が触媒活性を持つグラフェンのリップルで解離した後、吸着した原子が約1.0 eVという比較的低い活性化エネルギーでグラフェンシートの裏側に反転するという2段階過程に起因する。この活性化エネルギーの値は、プロトン輸送について過去に報告された値に近い。今回の研究結果は、二次元材料の不透過性の主要な基準をもたらし、基礎的観点から重要であるとともに、応用の可能性においても重要である。

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