神経科学:皮質局所回路の反回性相互作用
Nature 579, 7798 doi: 10.1038/s41586-020-2062-x
大脳皮質の大部分のシナプスは局所的で興奮性である。局所的な反回性回路は、増幅を行うことができ、これによってパターン完成やその他の演算が可能になる。皮質の回路には、受容野が類似していて平均的ネットワークに比べて密な結合を持つニューロン群からなるサブネットワークが含まれている。異なるタイプの情報を符号化する皮質ニューロンは、空間的に混じり合っていて脳の広い範囲にわたって分布しており、その複雑さのため、これらのサブネットワークを個別に擾乱するよってその機能を調べることは難しかった。今回我々は、計算モデル化、光学記録、光学操作を併用し、触覚弁別実行中のマウスで、ヒゲ体性感覚皮質の2/3層にある反回性結合の機能を調べた。その結果、2/3層の神経回路モデルから、結合が増加したサブネットワークに限り、反回性興奮が増幅作用によって感覚信号を強化することが分かった。また、高増幅率のモデルネットワークはダメージに弱く、サブネットワークの少数のメンバーを失うと、刺激の符号化が損なわれた。この予想を、ニューロンの選択性マッピングと、特定の選択性を持つニューロンの光破壊によって検証した。触覚を表現する2/3層ニューロンのうちの少数(10~20個、全体の5%以下)を破壊すると、破壊を免れた触覚表現に反応の顕著な低下が見られたが、他の感覚表現には影響はなかった。破壊の影響を最も強く受けたのは、破壊されたニューロン群の刺激応答特性に類似した刺激応答特性を持つニューロンであり、これはネットワークモデルの結果とも合致する。従って、類似した選択性を持つ皮質ニューロン間の反回性は、行動中の入力特異的な増幅を駆動している。

