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腫瘍免疫学:末梢性T細胞の増殖は腫瘍浸潤と臨床応答を予測する
Nature 579, 7798 doi: 10.1038/s41586-020-2056-8
PD1とそのリガンドであるPDL1との相互作用を阻害する抗体を用いたがん治療は、臨床的に成功を収めているにもかかわらず、関与する機構についてはまだ分かっていない。腫瘍免疫におけるT細胞の起源と運命を理解する上での主な制約の1つは、がん患者のT細胞について、個々のクロノタイプの分布に関する定量的な情報がないためである。今回我々は、異なるがんタイプの患者に対して、単一細胞レベルで高深度のRNA塩基配列解読とT細胞受容体配列解読を行い、腫瘍、隣接した正常組織および末梢血におけるさまざまなT細胞集団とT細胞受容体のプロファイルについて調べた。その結果、腫瘍内だけではなく、隣接する正常組織でもエフェクター様T細胞のクロノタイプ増殖を示す明らかな証拠が得られた。このようなクロノタイプ増殖の遺伝子シグネチャーを持つ患者は、抗PDL1療法に対して最もよく応答していた。腫瘍と隣接正常組織で見つかる増殖したクロノタイプは、概して末梢血でも検出できることは重要であり、患者を識別するための簡便な方法を示唆している。我々のデータをいくつかの外部データセットと合わせて解析すると、特に応答性患者では、腫瘍内T細胞が腫瘍外部位からの新しい疲弊していない代替の細胞で補充されることが示唆され、このような患者では、がん免疫サイクルが持続的に活性化しており、こうした活性化の促進が臨床応答と関連する可能性が考えられる。

