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材料科学:超微細粒金属の高圧強化
Nature 579, 7797 doi: 10.1038/s41586-020-2036-z
粒径が小さくなると金属の強度が高くなるというホール・ペッチの関係は、約10〜15 nmという臨界粒径で破綻することが報告されている。粒径がこの点よりも小さくなると、支配的な変形機構が、転位が媒介する過程から粒界すべりへと切り替わって、材料は軟化する。以前のある手法では、粒径が10 nm以下のニッケル–モリブデン合金において、この軟化効果が緩和とモリブデン偏析を通した粒界の安定化を用いて妨げられた。今回我々は、ダイヤモンドアンビルセルとラジアルX線回折を組み合わせて用い、さまざまな平均粒径の純ニッケル試料の降伏応力と変形集合組織化をin situで追跡した。この高圧実験の結果、試料の強度が、粒径が200 nmから3 nmに至るまで連続的に高まり、この強化は20 nm以下の粒径でも低下するのではなく増大することが明らかになった。今回の粒径3 nmの試料では、市販のニッケル材料の強度より10倍大きい約4.2 GPaという降伏強度が実現された。今回調べた圧力範囲においては、粒径が3 nmのニッケルで10.2 GPaという最大流動応力が得られた。金とパラジウムの試料でも、最小粒径まで同様の圧縮強化パターンが見られた。シミュレーションと透過型電子顕微鏡法によって、粒径が3 nmのニッケルで観測される高い強度は、部分転位と完全転位の両方による硬化と粒界塑性の抑制という複数の強化機構が重なり合って生じることが明らかになった。これらの知見は、現在進められている材料工学による超高強度金属の探究に寄与するだろう。

