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細胞生物学:遺伝子発現と細胞のアイデンティティーは分裂後期促進複合体によって制御される
Nature 579, 7797 doi: 10.1038/s41586-020-2034-1
後生動物の発生には前駆細胞のロバストな増殖が必要で、これらの細胞アイデンティティーは厳密に制御された転写ネットワークによって確立されている。有糸分裂の間は遺伝子発現が全体的に抑制されているため、細胞周期のたびに、細胞アイデンティティーを決定する転写プログラムを再開しなければならないが、これがどのような仕組みで行われるのかはほとんど解明されていない。今回我々は、遺伝子発現と細胞分裂を統合して細胞アイデンティティーを維持する、ユビキチン依存的な機構を突き止めた。間期の活性なプロモーターに結合するWDR5とTBPが、有糸分裂の際に分裂後期促進複合体(APC/C)を特異的な転写開始部位へと誘導することが分かった。その結果、APC/Cは、Lys11とLys48で分岐したユビキチン鎖(K11/K48分岐ユビキチン鎖)でヒストンを修飾できるようになり、この修飾がp97(別名VCP)とプロテアソームを誘導し、次の細胞周期における多能性遺伝子の迅速な発現を確実にする。このように、有糸分裂の終了と転写の再開は単一の調節因子(APC/C)によって制御されており、これが細胞分裂を通して細胞アイデンティティーを維持するロバストな機構となっている。

