Article

構造生物学:オーファン受容体GPR52のリガンド認識と自己活性化の構造基盤

Nature 579, 7797 doi: 10.1038/s41586-020-2019-0

GPR52はクラスAのオーファンGタンパク質共役受容体で、脳で大量に発現しており、ハンチントン病や複数の精神疾患の治療標的として有望と考えられている。GPR52シグナル伝達の病理学的機能不全は、主にヘテロ三量体であるGsタンパク質を介して起きるが、GPR52とGsがシグナル伝達のために共役する仕組みや、内因性リガンドもしくは活性化入力の必要性については明らかになっていない。今回我々は、ヒトGPR52について、リガンドの結合していない状態、Gsと共役した自己活性化状態、アロステリックに働くと予想されるリガンドが結合した状態に当たる3つの高分解能構造を示す。これらの構造から、細胞外ループ2がオルソステリックな結合ポケットを占拠し、分子に内蔵されるアゴニストとして働いてGPR52へ高いレベルの定常活性を与えていることが明らかになった。完全な活性化状態は、外因性のアゴニストが存在しない状態でGsがGPR52と共役した時に達成される。この受容体のもう1つの特徴は、リガンド結合のためのサイドポケットを持つ点である。GPR52の構造と機能についてのこれらの知見によって、他の自己活性化GPCRへの理解が進み、内因性リガンドや研究手段となるリガンドの特定が可能となり、GPR52を標的とする創薬の指針が得られるだろう。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度