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神経科学:フェロモンであるダーシンは生得的行動と学習強化された行動の回路を駆動する
Nature 578, 7793 doi: 10.1038/s41586-020-1967-8
生物は、配偶相手と遭遇して相手を評価する可能性を高めるために、さまざまな行動戦略を進化させてきた。多くの種は、配偶者となり得る相手の位置や、性的・社会的状態についての情報を伝達するために、フェロモンを使っている。マウスでは、主たる尿タンパク質のダーシン(darcin;雄の尿中に存在する)が、雌による接近を誘発し、学習を促すにおいマーカーの成分になっている。本論文では、ダーシンが複雑かつ多様な行動レパートリー(誘引、超音波発声、尿マーキングを含む)を誘発するとともに、学習パラダイムの強化因子としても働いていることを示す。我々は、ダーシンに対する全ての行動反応に必要な、副嗅球から発して扁桃体内側核後部に至る遺伝的に決定された回路を突き止めた。さらに、扁桃体内側核のダーシン応答性ニューロンを光遺伝学的に活性化すると、ダーシンが誘発する生得的行動と条件付けされた行動の両方が誘発された。これらのニューロンは、ニューロン性の一酸化窒素合成酵素を発現する地理的に分けられた細胞集団をなしている。我々は、ダーシンで活性化するこの神経回路が、フェロモン情報を自己の内部状態と統合し、配偶相手との遭遇と配偶者選択を促す可能性のある、可変性の生得的行動と学習強化された行動の両者を誘発していると提案する。

