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構造生物学:SAGAの構造と遺伝子プロモーターへのTBP集積機構
Nature 577, 7792 doi: 10.1038/s41586-020-1944-2
SAGA(Spt–Ada–Gcn5–アセチルトランスフェラーゼ)は19個のサブユニットからなる複合体で、2つのクロマチン修飾酵素モジュールを介して、また、TATAボックス結合タンパク質(TBP)をDNAへと集めてタンパク質コード遺伝子の発現に極めて重要な事象である前開始複合体構築の核とすることにより、転写を促進する。今回我々は、TBPと結合した酵母SAGAの構造を示す。複合体のコアは3.5 Åの分解能(フーリエ殻相関0.143)で解かれた。この構造から、SAGAのさまざまな機能ドメインを協調させる複雑な相互作用ネットワークの存在が明らかになり、またSAGAのコアにあるヒストンフォールドドメインの八量体の構造が解かれた。この変形した八量体は、ヌクレオソームが持つ対称なヒストン八量体とはかなりずれていて、TBPに適合する周辺部位が確立できるように厳密に調整されており、不適切なDNAの結合は立体障害によって抑制されている。補完的な生化学解析によって、TBPの集積とSAGAからの遊離の機構が示された。これには転写因子IIAが必要であり、その効率はDNAのTBPに対する親和性に相関する。これらの知見は、遺伝子プロモーターへのTBPの特異的な集積機構や、SAGAが遺伝子発現の調節に果たす複数の役割を理解するための基盤となるだろう。

