Article
有機金属化学:ウランの捕捉と放出のためのレドックススイッチング可能なカルボラン
Nature 577, 7792 doi: 10.1038/s41586-019-1926-4
ウラニルイオン(UO22+;ウランの酸化状態はU(VI))は、陸域環境や水域環境に見られるウランの最も一般的な形態であり、核燃料処理や核廃棄物浄化の取り組みにおける重要な成分である。海水や核廃棄物からのウラニルの捕捉は十分研究されており、キレートポリマー、多孔性の無機材料や炭素系材料、均一化合物を用いたUO22+への極めて強いキレート化/結合親和性を利用することが多い。対照的に、捕捉後のウラニルの制御された放出はそれほど確立されておらず、困難であったり、費用がかかったり、初期材料に対して破壊的であったりする。今回我々は、オルト置換closo-カルボラン(1,2-(Ph2PO)2-1,2-C2B10H10)クラスター分子のレドックススイッチング可能なキレート化特性と供与特性を利用し、単相性(有機)または二相性(有機/水性)のモデル溶媒系においてUO22+の制御された化学的または電気化学的な捕捉・放出が可能になることを示す。こうした捕捉・放出は、closo-カルボランがnido-カルボランに還元されると配位挟角が増大することを活用して実現され、これによってC–C結合が切断されてケージが開く。ウラニルの捕捉・放出への電気化学的方法の使用は、既存の吸着剤系や処理系を補完する可能性がある。

