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免疫学:VEGF-Cによるリンパ管ドレナージは脳腫瘍の免疫監視を可能にする
Nature 577, 7792 doi: 10.1038/s41586-019-1912-x
病原体や腫瘍に対する免疫監視は、中枢神経系においてはリンパ管によるドレナージが起こらないために制限されると考えられている。しかし、髄膜リンパ管ネットワークの解析が進み、脳で発現する抗原に対して免疫応答を惹起し得る、これまでに知られていなかった機序が示唆されている。髄膜リンパ管系の発達や構造の理解が進んでいるにもかかわらず、このネットワークが脳において抗原特異的な防御免疫応答の誘導に関与するかどうかは分かっていない。今回我々は、グリオブラストーマ(神経膠芽腫)のマウスモデルを用い、髄膜リンパ管系を操作することで、脳腫瘍に対してより強力な免疫応答を惹起し得ることを示す。グリオブラストーマ抗原に対するCD8 T細胞を介した免疫応答は、腫瘍が中枢神経系に限局されている場合には非常に限られており、腫瘍増殖が制御されない。しかし、血管内皮増殖因子C(VEGF-C)を異所性に発現させると、流入リンパ節である深頸リンパ節におけるCD8 T細胞のプライミングの増強、腫瘍へのCD8 T細胞の遊走、グリオブラストーマの迅速な除去および長期にわたる抗腫瘍記憶応答の成立が促進された。さらに、VEGF-Cを発現するmRNAコンストラクトをトランスフェクションすると、チェックポイント阻害療法と相乗的に作用して、すでに存在するグリオブラストーマが根絶された。これらの結果は、腫瘍の免疫監視に促進的に作用するVEGF-Cの性質を明らかにし、脳腫瘍の新しい治療アプローチを示唆している。

