古生物学:ジャワ島ガンドンにおける11万7000~10万8000年前のホモ・エレクトス最後の痕跡
Nature 577, 7790 doi: 10.1038/s41586-019-1863-2
ホモ・エレクトス(Homo erectus)は東南アジア島嶼部の創始者となった古代ヒト族種であり、インドネシアのジャワ島には150万年以上前に到達した。中部ジャワ州を流れるソロ川から約20 m高い場所に位置するガンドンの骨化石包含層からは、1931~1933年にホモ・エレクトスの頭蓋冠12点と脛骨2点が発見されており、これらはホモ・エレクトスの中でも最も新しく、最も進化した形態のものである。ガンドンの化石群は重要であるにもかかわらず、それらと段丘埋積物、年代との間の関係に関しての激しい議論は決着がついていない。今回我々は、ガンドンの化石証拠の年代問題を解決するため、52の放射年代推定値のベイズモデリングを用いて、我々の知る限り初めての確かな年代を、地域、谷、局地のスケールで確立した。我々は、洞窟二次生成物にウラン系列年代測定法を用いて地域的な地形発達を絞り込み、ルミネッセンス法、40Ar/39Ar法、ウラン系列年代測定法で段丘の発達過程を絞り込み、非ヒト化石にウラン系列年代測定法とウラン系列–電子スピン共鳴年代測定(US–ESR)法を適用して我々のガンドン再発掘調査の年代を直接推定した。その結果、少なくとも50万年前までにはソロ川がケンデン丘陵へと迂回していたこと、そしてこれによって、31万6000~3万1000年前にソロ川の河岸段丘層が、約14万~9万2000年前にガンドン段丘が形成されたことが明らかになった。ガンドンでの再発掘調査で回収された非ヒト化石群の年代は10万9000~10万6000年前(ウラン系列年代測定法の最小値)および13万4000~11万8000年前(US–ESR法)と推定され、洪水条件で堆積したホモ・エレクトスの骨化石包含層については11万7000~10万8000年前というモデル年代が得られた。以上の結果は、この遺跡についてこれまで提案されてきた極端な年代を除外するとともに、ガンドンが、この長く存続したヒト族種の既知で最後の出現地であることを確実なものにしている。

