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幹細胞:心臓への幹細胞療法で得られる恩恵の根底には急性免疫応答がある

Nature 577, 7790 doi: 10.1038/s41586-019-1802-2

損傷した心臓組織を成体幹細胞によって再生させる臨床試験は、その有効性がずっと疑問視されており、根底にある生物学的効果の機構が解明されていないにもかかわらず、現在でも続けられている。このような細胞療法の臨床試験に対する論理的根拠は動物研究で得られたものであり、それらの研究では心虚血傷害モデルにおいてわずかであるが再現性のある心機能改善が示されている。今回我々は、虚血再灌流傷害後のマウスにおける細胞療法の機構的基盤について調べ、認められる心機能の改善が心筋細胞の新生とは関連しないことを見いだした。細胞療法は、CCR2+マクロファージおよびCX3CR1+マクロファージの一過性で局所的な誘導を特徴とする無菌性の急性免疫応答により心機能を改善することが分かった。異なる2タイプの成体幹細胞や凍結融解により殺した細胞、あるいは自然免疫応答の化学誘導物質を心臓内へ注入すると、いずれも同様の領域でCCR2+マクロファージとCX3CR1+マクロファージの蓄積が誘導され、虚血再灌流傷害後の心臓が機能的に若返った。この選択的なマクロファージの応答は、心臓繊維芽細胞の活性を変化させ、梗塞境界領域の細胞外マトリックス含量を減少させて、損傷領域の機械的特性を高めた。従って、心臓の細胞療法で得られる機能的な恩恵は、心臓の梗塞領域を若返らせる、炎症を基盤とする急性の創傷治癒応答によるものである。

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