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気候科学:低海氷の時代における脆弱な永久凍土の古気候学的証拠

Nature 577, 7789 doi: 10.1038/s41586-019-1880-1

北極圏では気候変動が急速に生じており、予測では、今世紀半ばまでに夏季の海氷が完全に失われると示唆されている。北半球の永久に凍った土壌(永久凍土)の温暖化に対する感度はあまり分かっておらず、その長期的な傾向を監視するのは海氷の傾向を監視するより難しい。本論文では、古気候データを用いて、シベリアの永久凍土は、北極圏に海氷が存在する場合は温暖化に対して強靭だが、海氷が存在しない場合は脆弱であることを示す。連続した永久凍土の南端に位置するシベリアの洞窟の炭酸塩堆積物(洞窟二次生成物)のウラン–鉛年代測定によって、その上の土が永久に凍っていなかった期間が複数明らかになった。洞窟二次生成物の記録は、赤道から極への熱輸送が増大し、北半球が温暖化した時期である150万年前に始まった。洞窟二次生成物の成長からは、洞窟の場所ではその当時永久凍土が存在しておらず、北半球が寒冷化した約135万年前からより頻繁に存在するようになり、約40万年前以降に永続的になったことが示された。この歴史は、海氷は約40万年前までほとんど存在しなかったが、その時期から永続的に存在するという、北極海の年間を通した海氷の歴史を反映している。海氷が存在する場合の永久凍土の強靭さと、海氷が存在しない場合に増大する永久凍土の脆弱さは、熱輸送と水蒸気輸送の両方の変化によって説明できる。海氷の減少は、北極圏の大気の温暖化の一因となる可能性があり、内陸奥地の温暖化をもたらし得る。さらに、北極圏の開水域も、水蒸気の生成源を増やし、シベリアの秋季の降雪を増やして、地面を冬季の低い気温から断熱する。こうした過程によって、40万年前以前の氷のない北極圏と永久凍土の融解の関係が説明される。こうした過程が現代の気候変動の間継続すれば、夏季の北極海の氷が消失して、シベリアの永久凍土の融解が加速されるだろう。

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