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材料科学:ハライドペロブスカイトのひずみエンジニアリングとエピタキシャル安定化
Nature 577, 7789 doi: 10.1038/s41586-019-1868-x
ひずみエンジニアリングは、半導体デバイスの性能を向上させる強力な手段である。ハライドペロブスカイトは、電子特性や光電子特性が優れているため、デバイス応用に大変有望であることが示されている。ハライドペロブスカイトへのひずみ印加は、静水圧加圧、電歪、アニーリング、ファンデルワールス力、熱膨張不整合、加熱による基板の相転移などを用いてたびたび試みられているが、適切な格子不整合エピタキシャル基板がないため、化学エピタキシーによる制御可能かつデバイスに適合可能なハライドペロブスカイトのひずみエンジニアリングはいまだに困難である。本論文では、格子不整合ハライドペロブスカイト基板において、ハライドペロブスカイト単結晶薄膜をひずませてエピタキシャル成長させたことを報告する。我々は、実験的手法と理論計算の両方を用いて、α-ホルムアミジン鉛ヨウ素(α-FAPbI3)のひずみエンジニアリングを研究した。基板の組成、ひいては格子パラメーターを調整することによって、エピタキシャルα-FAPbI3薄膜に2.4%という高い圧縮ひずみを印加した。我々は、このひずみによってα-FAPbI3の結晶構造が効果的に変化し、バンドギャップが小さくなり、正孔移動度が高くなることを実証する。また、ひずみエピタキシーには、エピタキシャル安定化とひずみ中和の相乗効果によって、α-FAPbI3相をかなり安定化させる効果があることも示された。一例として、我々はα-FAPbI3に基づく光検出器の性能を、ひずみエンジニアリングを適用することで向上させた。

