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量子情報:遠隔電子スピン間の共鳴マイクロ波が媒介する相互作用

Nature 577, 7789 doi: 10.1038/s41586-019-1867-y

非局所的なキュービット相互作用は、先進的な量子情報技術の特徴である。キュービットの長さスケールよりはるかに長い距離にわたって量子状態を転送しエンタングルメントを生成する能力は、接続性を大幅に高め、最高の並列性と、任意のキュービット対への2キュービットゲートの実装に向けた重要な一歩である。共振器量子電気力学に基づくキュービット結合方式からも、量子メモリーとしてQ値の高い共振器を使用できる可能性が得られる。最隣接キュービットを超えてキュービット相互作用を延長することは、短距離交換相互作用によって制限される、スピンを用いた量子計算アーキテクチャーに特に有益である。シリコンスピンキュービット向けのデバイス技術が急速に成熟しているにもかかわらず、長距離のスピン–スピン結合の実現に向けた実験的な進展は、これまで個々のスピンとマイクロ波光子の間の相互作用に限られていた。今回我々は、物理的に4 mm以上離れた2個の電子スピン間の共鳴マイクロ波が媒介する結合について実証する。両方のスピンを調整して共振器と共鳴させると、真空ラビ分裂の増強が観測され、これは2個のスピンと共振器光子の間のコヒーレントな相互作用の存在を示している。今回の結果は、マイクロ波周波数の光子を用いて、空間的に離れたスピン間の長距離2キュービットゲートを生成できる可能性を示している。

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