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天文学:近傍の渦巻銀河に位置特定された反復する高速電波バースト源

Nature 577, 7789 doi: 10.1038/s41586-019-1866-z

高速電波バースト(FRB)は、銀河系外からの短時間持続する明るい電波閃光である。それらの物理的な起源はまだ分かっていないが、数多くの考えられるモデルが想定されている。いくつかのFRB源では、反復バーストが確認されている。これまでに100例以上のFRB源が発見されているものの、位置特定されて母銀河に関連付けられているのはわずか4例であり、さらに、反復するFRBを放射することが知られているのはこれら4例のうち1例だけである。母銀河の特性とFRBの局所的な環境は、FRBの物理的起源について重要な手掛かりをもたらす可能性がある。しかし、最初に発見された反復するFRBの位置は、金属量の少ない不規則矮小銀河に特定され、見かけの上では反復しないFRB源の位置は、金属量の多い銀河、大質量楕円銀河あるいは星形成銀河に特定されていることから、反復するFRBと見かけ上は反復しないFRBの起源は、おそらく物理的にはっきり異なっていると示唆される。本論文では、2例目となる、反復するFRB源FRB 180916.J0158+65の正確な位置特定について報告する。このFRB源の位置は、近傍(赤方偏移0.0337 ± 0.0002)の大質量渦巻銀河の星形成領域に特定され、その特性と近接性は既知のどの母銀河とも明確に異なる。また、同程度に明るい持続性の電波天体と大きなファラデー回転測度の両方が見られないことから、FRB 180916.J0158+65の局所的な環境も、これまでに位置が特定された唯一の反復するFRB源FRB 121102の環境とは大きく異なる。これは、反復するFRBは、光度の範囲が広く、多様な母銀河と局所的な環境に由来する可能性を示唆している。

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