Article

天体物理学:長時間継続するガンマ線バーストからの逆コンプトン放射の観測

Nature 575, 7783 doi: 10.1038/s41586-019-1754-6

長時間継続するガンマ線バースト(GRB)の起源は、死にゆく大質量星の崩壊するコアから放出される超相対論的ジェットである。GRBは、キロ電子ボルトからメガ電子ボルトの帯域で大きく変動する明るい初期段階の放射で特徴付けられ、即時放射と呼ばれるこうした放射は、おそらくジェット内で生成されたもので、数ミリ秒から数分間継続する。その後、周辺の物質とジェットの相互作用によって残光放射の原因となる衝撃波が生じ、残光放射は数日から数か月間継続して、電波からギガ電子ボルトの帯域の幅広いエネルギー範囲にわたって発生する。残光放射は一般に、外部の衝撃波で加速される電子によって放射されるシンクロトロン放射として、うまく説明される。最近、GRB 190114Cから、0.2〜1 TeVの範囲の強力で長時間継続する放射が観測された。本論文では、GRB 190114Cの多波長観測の結果と、5 × 10−6〜1012 eVまで17桁にわたるGRB放射の時間発展の研究について報告する。我々は、広帯域のスペクトルエネルギー分布がダブルピークを示し、そのテラ電子ボルトの放射がシンクロトロン成分に相当する強度の別個のスペクトル成分を構成することを見いだした。この成分は残光と関係しており、高エネルギー電子によるシンクロトロン光子の逆コンプトン散乱で十分に説明される。我々は、観測されたテラ電子ボルトの成分の説明に必要な条件はGRBに典型的なものであり、これはGRBにおいて逆コンプトン放射が一般的に生じている可能性を支持している。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度