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構造生物学:BRAF–MEK1–14-3-3複合体の自己阻害型と活性型の構造

Nature 575, 7783 doi: 10.1038/s41586-019-1660-y

RAFファミリーのキナーゼはRASによって活性化されるスイッチで、MAPキナーゼカスケードを介するシグナル伝達を開始することで細胞の増殖や分化、生存を制御する。RAF活性は厳密に調節されていて、不適切な活性化はしばしばがんの原因となる。しかし、RAF調節の構造基盤は、現在のところほとんど解明されていない。今回我々は、クライオ(極低温)電子顕微鏡法を用いて、MEK1および14-3-3二量体と複合体を形成した完全長BRAFの自己阻害状態と活性状態の構造を決定した。再構築から、非活性型BRAF–MEK1複合体は14-3-3二量体により形成された揺りかご様構造中に拘束されていて、BRAFキナーゼドメインを挟むリン酸化されたS365部位とS729部位と結合していることが分かった。BRAFのシステインリッチドメインは中央に位置して、この集合体を安定化しているが、これに近接するRAS結合ドメインは秩序立った構造ではなく、中心から外れている。14-3-3が作る揺りかご様構造は、膜に結合しているシステインリッチドメインを隔離してBRAFキナーゼドメインの二量体化を阻止し、それによって自己阻害状態を維持している。活性状態では、これらの阻害的相互作用が解除され、14-3-3二量体の1つが再配列されて、これが2つのBRAFのC末端pS729結合部位を架橋し、2つのBRAFが背中合わせの形をとった活性型二量体の形成が進む。我々が得た複数の構造スナップショットにより、正常時のRAF調節とがんや先天症候群での変異による調節崩壊を理解する基盤がもたらされる。

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