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神経科学:食餌中の塩がタウのリン酸化を介して認知障害を促進する
Nature 574, 7780 doi: 10.1038/s41586-019-1688-z
食習慣や血管リスク因子は、アルツハイマー病と血管性の要因による認知障害の両方を促進する。さらに、過剰リン酸化タウの蓄積(タウは微小管結合タンパク質であり、これはアルツハイマー病の病理学的特徴である)も、血管性認知障害と関連している。マウスでは、高塩分の食餌が、脳の内皮細胞で一酸化窒素欠乏や脳低灌流に関連する認知機能障害を引き起こす。今回我々は、マウスにおいて、食餌中の塩がタウの過剰リン酸化に続いて認知機能障害を誘導し、これらの効果は内皮の一酸化窒素産生の回復により抑えられることを報告する。一酸化窒素の欠乏は、ニューロンでのカルパインのニトロシル化を減少させてカルパインの活性化を引き起こし、これが次にサイクリン依存性キナーゼ5の活性化によるタウのリン酸化につながる。タウのヌルマウスあるいは抗タウ抗体を投与されたマウスでは、脳低灌流および神経血管機能障害が持続しているにもかかわらず、塩によって誘導される認知障害は観察されなかった。これらの知見から、血行動態不全とは無関係に、食餌中の塩、内皮機能障害、タウ病態の間に因果関係があることが明らかになった。過剰な塩摂取を避けて血管の健康を維持することは、高齢者において認知症の原因となる血管および神経変性の病態を防ぐのに役立つ可能性がある。

