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がんゲノミクス:U1スプライソソームRNAは多数のがんで頻発的に変異している

Nature 574, 7780 doi: 10.1038/s41586-019-1651-z

がんは、ドライバーとして知られるゲノム変化によって引き起こされる。コーディング遺伝子では数百のドライバーが知られているが、ノンコーディングドライバーは、徹底的な探索が行われているにもかかわらず、これまでのところほんの少数しか発見されていない。最近、がんにおけるRNAスプライシングの変化の役割に注意が向けられるようになっている。多数のタイプのがんで、トランスクリプトーム規模の異常なスプライシングにつながるドライバー変異が特定されているが、これらの変異はSF3B1(splicing factor 3b subunit 1)などのタンパク質をコードするスプライシング因子でしか見つかっていない。一方、スプライソソームのノンコーディング構成要素である一連の核内低分子RNA(snRNA)におけるがん関連変化は、がんのノンコーディングドライバーの特徴付けという難題とsnRNA遺伝子が反復的な性質を持つという難題が重なっていることから、ほとんど研究されていない。今回我々は、いくつかのタイプの腫瘍において、U1 snRNAの3番目の塩基に高頻度のA>C体細胞変異が見られることを報告する。U1 snRNAの主な機能は、塩基対形成を介して5′スプライス部位を認識することである。この変異は、U1 snRNAと5′スプライス部位の間の選択的なA–U塩基対形成をC–G塩基対形成に変化させることで、新しいスプライスジャンクションを作り出し、既知のがんドライバーなど、多数の遺伝子のスプライシングパターンを変化させる。臨床的には、このA>C変異は、肝細胞がん患者におけるアルコール多量摂取、および免疫グロブリン重鎖可変領域に変異が見られない慢性リンパ性白血病の侵襲性サブタイプと関連している。U1 snRNAの変異はまた、これとは独立して慢性リンパ性白血病患者にも予後不良をもたらす。我々の研究は、スプライソソームRNAのノンコーディングドライバーを実証し、がんにおける異常なスプライシングの機構の1つを明らかにし、新しい治療標的を示している可能性がある。また我々の知見は、ドライバーの発見をゲノム領域のより広い範囲に拡大すべきであることも示唆している。

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