Letter

気候科学:鮮新世温暖期における全球平均海水準の絞り込み

Nature 574, 7777 doi: 10.1038/s41586-019-1543-2

鮮新世などの過去の温暖期における海水準の変化の再構築によって、長期の温暖化に対する海水準と氷床の応答に関する知見が得られる。鮮新世温暖期の全球平均海水準(GMSL)の見積もりは複数存在するが、これらには数十メートルの開きがあるため、過去と将来の氷床の安定性の評価が妨げられている。本論文では、産業革命前よりも気温が平均して2〜3°C高かった中期ピアセンジアンの温暖期において、全球の氷量の変化に起因してGMSLが現在より約16.2 m高く、海洋の熱膨張を含めると約17.4 m高かったことを示す。今回の結果は、さらに温暖だった鮮新世の気候最温暖期(産業革命前のレベルよりも気温が約4°C高かった)には、GMSLが現在の海水準より23.5 m高く、熱膨張を加えるとさらに1.6 m高かったことを示している。我々は、地中海西部(スペイン・マヨルカ島)から得られた洞窟内二次生成物に基づく、439万〜327万年前の6つのGMSLデータ点を提示する。この記録は、海水準との関係が明確で、U–Pb年代の信頼性が高く、期間が長い点で類がなく、潜在的な海水準上昇の不確かさの定量化を可能にする。今回のデータは、氷床が温暖化に非常に敏感であることを示すとともに、将来の氷床モデルの較正において重要な目標を与える。

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