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がん:シナプスの近接がNMDARシグナル伝達を可能にして脳転移を促す

Nature 573, 7775 doi: 10.1038/s41586-019-1576-6

転移とは、遠隔器官での腫瘍の播種性増殖であり、がんによる死亡の原因となる。乳がんの脳への転移(B2BM)は、よくある破壊的ながんの形式であり、アグレッシブな基底細胞様サブタイプでよく見られるが、あらゆるサブタイプのがんでもさまざまな頻度で見られる。以前の研究で、乳がんの脳への転移のパラメーターが明らかにされているが、なぜ乳がんが脳へ転移しやすいかはよく分かっていない。今回我々は、B2BM細胞は、グルタミン酸リガンドによるN-メチル-d-アスパラギン酸受容体(NMDAR)の活性化が関与する、浸潤性の腫瘍増殖に関わることが最近明らかにされたニューロンのシグナル伝達経路を借用することを示す。NMDARの活性化は、脳の転移生着のモデル系で非常に重要であり、予後不良と関連している。いくつかの原発性腫瘍タイプでは、NMDARの活性化はオートクリンによるが、ヒトやマウスのB2BM細胞は受容体を発現していてもシグナル伝達の誘導に十分なグルタミン酸を分泌せず、代わりに、がん細胞とグルタミン酸作動性ニューロンの間の擬似三者間シナプスの形成によりシグナル伝達が誘導される。今回の結果は脳転移が起こる理由の1つを示している。

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