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量子物理学:ハイゼンベルク交換を通したコヒーレントなスピン状態の転送

Nature 573, 7775 doi: 10.1038/s41586-019-1566-8

量子情報科学は、リソース効率の良いコンピューティング、通信、センシングの方法を提供することで、現代の科学技術に革新をもたらす可能性がある。現実的な量子デバイスの物理的な量子ビット(キュービット)には必然的に誤りが生じるという問題があるが、量子誤り訂正によってフォールトトレラントな量子情報処理への道が開かれる。しかし、量子誤り訂正では、個々のキュービットがプロセッサー中の他の多くのキュービットと相互作用できる必要がある。そうした高い接続性を実現しようとすると、電子スピンキュービットなどの自然に線形アレイが有利になるプラットフォームに困難な課題が生じる可能性がある。本論文では、スピンキュービットアレイにおいて、ハイゼンベルク交換相互作用を通した電子スピン状態の伝送を実験的に実証したことを報告する。ハイゼンベルク交換結合は、同じスピン状態の2個の電子は同じ軌道を占めることができないというパウリの排他原理が直接現れたもので、隣接する電子のスピン状態を交換する傾向がある。我々は、半導体4重量子ドットアレイの電子間の波動関数の重なりを正確に制御することによって、どの電子も動かさずに、アレイ中で単一スピン状態とエンタングル状態の両方を往復移動する一連のコヒーレントなSWAP演算を生み出した。この過程は多数のキュービットへ拡張できるため、ハイゼンベルク交換を通した状態転送は、スピンを用いた量子コンピューターの多重キュービットゲートや誤り訂正に役立つと考えられる。

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