Letter
物性物理学:超高圧での水素の等構造電子転移
Nature 573, 7775 doi: 10.1038/s41586-019-1565-9
高圧転移は、水素分子を分子金属固体へ、そして最終的には原子状金属へ変化させると考えられている。原子状金属は、エキゾチックな物理特性と、2成分(電子と陽子)の超伝導性超流動凝縮体のトポロジーを持つと予測されている。従って、そうした転移の解明は、依然として物性物理学の重要な目標の1つである。しかし、固体水素の結晶構造の測定によって圧縮下での水素の金属化に関する極めて重要な情報が得られるものの、極端な条件下でのX線回折や中性子回折の測定にはかなりの技術的課題があるため、こうした測定は大半の高圧相では行われていない。本論文では、最高254 GPaの圧力における固体水素の単結晶X線回折研究を示し、相Iから相IIIや相IVへの転移の結晶学的性質を明らかにする。圧縮下では、水素分子は六方晶の最密充填(hcp)結晶格子構造のままであり、異方性の単調な増大を伴う。さらに、相IVに入る際に単位胞体積の圧力に依存する減少で勾配に変化が生じたことから、二次の等構造相転移が示唆された。今回の結果は、エキゾチックな2成分原子状水素の前駆体が、大きく変形したhcpブリルアンゾーンと分子対称性の破れに起因する電子的転移で構成されている可能性を示している。

