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生化学:eIF5Bは翻訳の開始段階から伸長段階への移行を制御している
Nature 573, 7775 doi: 10.1038/s41586-019-1561-0
翻訳開始はタンパク質合成のリーディングフレームを確立することによって、mRNAがコードするタンパク質の量とそのアイデンティティーの両方を決定する。真核細胞では、多数の翻訳開始因子が働いてポリペプチド合成に備えてリボソームを準備するが、この過程に内在する動態は解明されていない。重要な疑問は、真核生物のリボソームが翻訳開始段階から伸長段階へとどのようにして移行するかである。今回我々はin vitroで単一分子蛍光顕微鏡法を使い、出芽酵母(Saccharomyces cerevisiae)の精製した翻訳系での翻訳開始後期から伸長段階への移行の経路をリアルタイムで直接観察した。この真核生物の系での移行は、大腸菌(Escherichia coli)の系で報告されているよりも時間がかかった。広範囲にわたって保存されているeIF5B(eukaryotic initiation factor 5B)の触媒作用によって個々のリボソームサブユニットが集合した後に、eIF5Bが80Sリボソーム上にとどまる時間が長いことが、伸長段階へのゆっくりとした進入の特徴である。リボソームサブユニットが集合した後でeIF5BのGTPアーゼ活性を阻害すると、eIF5Bの80S複合体からの解離が妨げられ、伸長が防止される。これらの知見は、eIF5Bの解離が翻訳開始から伸長への移行の速度論的チェックポイントとして働く仕組みと、GTP加水分解を引き起こすリボソーム複合体のコンホメーション変化によってeIF5Bの解離が制御されている可能性を明らかにしている。

