Letter

気候科学:複数年のENSO予測のためのディープラーニング

Nature 573, 7775 doi: 10.1038/s41586-019-1559-7

エルニーニョ/南方振動(ENSO)の変動は、広範な極端な地域気候や生態系への影響と関連している。従って、リードタイムの長いロバストな予測は、政策対応の管理に役立つと思われる。しかし、数十年にわたる取り組みにもかかわらず、ENSO事象を1年以上のリードタイムで予測するのはまだ難しい。本論文では、ディープラーニングの手法を用いる統計的予測モデルによって、最長1年半のリードタイムで優れたENSO予測が得られることを示す。我々は、観測データが少ないという問題を回避するために、転移学習を用いて、まず履歴シミュレーションで、次に1871〜1973年のデータの再解析で、畳み込みニューラルネットワーク(CNN)を訓練した。1984〜2017年の検証期間では、CNNモデルのNino3.4インデックスの全季節相関スキルは、現行の最先端の動的予測システムのスキルよりはるかに高くなった。さらに、CNNモデルは、海面水温の詳細な帯状分布の予測でも優れており、動的予測モデルの弱点を克服した。ヒートマップ分析からは、CNNモデルが物理的に妥当な前駆事象を使ってENSO事象を予測していることが示された。従って、CNNモデルは、ENSO事象の予測と、ENSO事象に関連する複雑な機構の分析のどちらにも強力なツールである。

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