Letter
物性物理学:電子量子材料のイメージング実験における機械学習
Nature 570, 7762 doi: 10.1038/s41586-019-1319-8
科学上の発見の過程は何世紀にもわたり、人の手による自然現象の系統的な観察と分析に基づいてきた。しかし今日、自動化された計装と大規模なデータ収集は、大量の複雑なデータセットを生み出し、伝統的な科学的方法に取って代わろうとしている。根本的に異なる科学的方法が必要であり、機械学習(ML)は材料科学などの研究分野で大いに期待できることが示されている。MLが電子量子材料(EQM)の合成データの分析で成功を収めたことを考えると、次の課題はこの方法をEQMの実験データ、例えば、原子スケールの可視化から得られる複雑な電子構造の画像アレイへ適用することである。本論文では、そのようなEQM画像アレイに隠れたさまざまな種類の規則性を認識させるよう設計した、一連の人工ニューラルネットワーク(ANN)の開発と訓練について報告する。このANNを使って、キャリアをドープした銅酸化物モット絶縁体から実験によって得られたEQM画像アレイのアーカイブを分析したところ、ANNは、こうした雑音が多く複雑なデータ中に、結晶構造と整合し、かつ基本構造の4倍の周期性を持ち、並進対称性の破れたEQM状態が存在することを発見した。さらに、このEQM状態は一次元性を有していることが確定され、同時に起こるネマチック状態が明らかになった。電子液晶の強結合理論はこうした観察結果と一致する。

