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物理化学:原子分解能の電子線トモグラフィー法を用いる結晶核生成の四次元観察
Nature 570, 7762 doi: 10.1038/s41586-019-1317-x
核生成は、結晶化、融解、蒸発から雲の形成や神経変性疾患の発症まで、多くの物理学的、生物学的現象において重要な役割を果たしている。しかし核生成、特に数個の原子や分子が母相から新しい相を形成し始める初期段階は、実験で調べることが困難な過程である。核生成過程は、多くの実験方法や計算方法を用いて研究されてきたが、初期段階の核の三次元原子構造やダイナミクスは実験的には特定されていない。今回我々は、初期段階の核生成を、原子分解能の電子線トモグラフィー法を用いて四次元(すなわち時間を含む)で調べた。我々は、FePtナノ粒子をモデル系として用いることで、初期段階の核が不規則な形状をしており、それぞれの核が最大秩序パラメーターを有する1原子から数原子からなるコアを持ち、秩序パラメーター勾配が核のコアから境界に向かっていることが見いだされた。我々は、秩序パラメーター分布とその勾配によって調節される、成長、ゆらぎ、溶解、融合、分裂において同一核の構造とダイナミクスを捉えた。こうした実験的観察の結果は、Ptの液体–固体相転移における不均一核生成および均一核生成の分子動力学シミュレーションによって裏付けられた。今回の実験結果と分子動力学シミュレーションの結果は、初期段階の核生成を原子スケールで記述するには古典的な核生成理論を超える理論が必要であることを示している。我々は、今回報告した手法が、相転移、原子拡散、粒界ダイナミクス、界面運動、欠陥ダイナミクス、表面再構成などの材料科学、ナノ科学、物性物理学、化学における多くの基礎的問題の四次元原子分解能での研究への扉を開くと予想する。

