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医学研究:WRNヘリカーゼはマイクロサテライト不安定性がんの合成致死標的である
Nature 568, 7753 doi: 10.1038/s41586-019-1102-x
合成致死性とは、単独では細胞死につながらないが同時に生じると細胞死を引き起こすような2つの遺伝的事象の相互作用であり、これはがん治療に利用できると考えられている。多くのがんでDNA修復経路に異常が認められ、それが特定の修復タンパク質への依存につながる場合があることから、DNA修復過程は魅力的な合成致死標的となる。相同組換え欠損がんにおける、ポリADPリボースポリメラーゼ1(PARP-1)阻害剤の成功は、この手法の可能性を浮き彫りにしている。我々は、他のDNA修復異常も合成致死の関係を生じるという仮説を立て、DNAミスマッチ修復の欠損に起因するマイクロサテライト不安定性(MSI)を示すがんにおいて依存性を調べた。今回、2つの大規模なサイレンシングスクリーニング(それぞれCRISPR–Cas9によるノックアウトとRNA干渉を用いたもの)から得られたデータを解析した結果、RecQ DNAヘリカーゼであるWRNは、MSIモデルではin vitroおよびin vivoで選択的に必須だが、マイクロサテライト安定性を示すがんのモデルでは不必要であることが明らかになった。WRNの除去は、MSIモデルにおいて選択的に、DNA二本鎖切断を誘発し、アポトーシスおよび細胞周期停止を促進した。MSIがんモデルには、WRNのヘリカーゼ活性が必要だが、そのエキソヌクレアーゼ活性は必要ではなかった。以上の知見は、WRNがMSIがんにおける合成致死の脆弱性であり、有望な薬物標的であることを示している。

