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神経科学:CD22の阻害は加齢脳におけるミクログリアの恒常的ファゴサイトーシスを回復させる
Nature 568, 7751 doi: 10.1038/s41586-019-1088-4
ミクログリアは、タンパク質凝集体や細胞の残屑をファゴサイトーシスによって除去することで、中枢神経系で恒常性を維持している。この機能は加齢や神経変性疾患の際に低下し、それに伴い認知機能も低下する。しかし、ミクログリアの恒常性機能が障害される機構や、この機能の回復による認知機能への影響については分かっていない。我々は、CRISPR–Cas9ノックアウトスクリーニングとRNA塩基配列解読解析を組み合わせて行い、ミクログリアのファゴサイトーシスの加齢に関連した遺伝的修飾因子を発見した。これらのスクリーニングで、カノニカルなB細胞受容体の1つであるCD22がファゴサイトーシスの負の調節因子として特定され、加齢ミクログリアではその発現が上昇していることが明らかになった。CD22はα2,6結合型シアル酸の抗ファゴサイトーシス効果を仲介しており、CD22の阻害はin vivoで、ミエリンの残屑や、アミロイドβオリゴマー、α-シヌクレインフィブリル(原繊維)の除去を促進した。CD22機能を阻害する抗体を長期的に中枢神経系へ送達すると、ミクログリアが恒常的な転写状態へ再プログラム化され、加齢マウスで認知機能改善が認められた。これらの知見は、加齢に関連したミクログリア障害の機構や、加齢脳で恒常性を回復させるための戦略を示している。

