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神経科学:ミトコンドリア電子伝達を睡眠につなげるカリウムチャネルのβサブユニット
Nature 568, 7751 doi: 10.1038/s41586-019-1034-5
睡眠の本質的な機能は、いまだに謎だが、脳の睡眠制御系によって感知される分子的変化に反映されているはずである。ショウジョウバエ(Drosophila)では、背側扇状体(dFB)に投射する2ダースほどの睡眠誘発ニューロンが、2種類のカリウムコンダクタンスの拮抗的調節を介して睡眠要求の電気的出力を調節している。すなわち、リークチャネルSandmanは覚醒時の発火停止を導き、Shakerチャネルを介するA型電流の増加は、睡眠時の持続的発火を支える。今回我々は、ミトコンドリア電子伝達の酸化的副産物が、ShakerのKVβサブユニットHyperkineticの酸化還元酵素ドメインに結合した補因子NADPHを介してdFBニューロンの活動を調節していることを示す。睡眠を遮断すると、dFBニューロンでミトコンドリアの活性酸素種が増加し、dFBニューロンはこの増加をHyperkineticをNADP+結合型に変換することで記録する。この補因子の酸化は、A型電流の不活性化を遅らせて活動電位の発火頻度を増し、睡眠を促進する。従って、それぞれ独立に寿命、加齢、変性疾患に関与するとされている3つの過程である、エネルギー代謝、酸化ストレス、睡眠は、機構的につながっている。結合NADPHとNADP+の比(すなわち睡眠負荷や覚醒時間の内部記録)を変えるようなKVβの基質や阻害剤は、睡眠調節薬候補の原型になる可能性がある。

