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がん:BACH1とミトコンドリア代謝を標的とした効果的な乳がん併用療法

Nature 568, 7751 doi: 10.1038/s41586-019-1005-x

ミトコンドリア代謝はがん治療の魅力的な標的である。代謝経路の再プログラム化によって、トリプルネガティブ乳がん(TNBC)などの治療選択肢が限られているがんを抑制する代謝阻害剤の能力が改善される可能性がある。今回我々は、TNBC患者の腫瘍で発現が上昇しているヘム結合転写因子BACH1(BTB and CNC homology 1)が、ミトコンドリア代謝を標的としていることを示す。BACH1はトリカルボン酸回路におけるグルコース利用を減少させて、電子伝達系(ETC)の遺伝子群の転写を負に調節する。shRNAによるBACH1の除去あるいはヘミンによるBACH1の分解により、細胞はメトホルミンなどのETC阻害剤に感受性になり、細胞株と患者由来の腫瘍異種移植片の両方の増殖が抑制された。BACH1に対する短鎖ヘアピンRNAを発現する細胞でヘム抵抗性BACH1変異体を発現させると、BACH1の表現型が救済され、ヘミンを投与された細胞や腫瘍でメトホルミン抵抗性が回復した。さらに、乳がん患者由来の腫瘍および他のタイプの腫瘍では、BACH1遺伝子の発現はETC遺伝子の発現と逆相関することから、我々の知見が臨床的意義を持つことがはっきりと示された。本研究は、BACH1を標的とすることによりミトコンドリア代謝を利用して、乳がんやおそらく他の腫瘍組織をもミトコンドリア阻害剤に感受性にできることを実証している。

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