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膜の生物物理学:GABABシグナル伝達のKCTDによる速い脱感作の構造基盤
Nature 567, 7746 doi: 10.1038/s41586-019-0990-0
GABAB(γ-アミノ酪酸B型)受容体は、脳の主な抑制性神経伝達物質受容体の1つで、ヘテロ三量体Gタンパク質を介してシグナル伝達を行い、Gタンパク質共役型内向き整流性カリウムチャネル(GIRK)などの多様なエフェクターを活性化する。GABAB受容体のシグナル伝達は、KCTDと呼ばれる補助サブユニットによる厳密な調節を受けていて、KCTDはGIRKの活性化と脱感作の反応速度論的性質を制御している。しかし、GABABシグナル伝達のKCTDによる調節の機構的基盤はまだ完全には解明されていない。今回我々は、X線結晶学と電子顕微鏡学の手法と機能的および生化学的実験を組み合わせて用い、KCTDのGABAB受容体とGタンパク質βγサブユニットの両方への結合の分子レベルでの詳細を明らかにした。KCTDは、受容体のカルボキシ末端尾部領域の周囲に非対称的な五量体の輪を形成することで受容体と結合し、その一方で、KCTDの第2のドメインであるH1は5個のGβγとの対称的な相互作用に関わっていて、ここではGタンパク質サブユニットも互いに直接的な相互作用している。我々はさらに、GβγへのKCTDの結合は協同性が非常に高いことを明らかにし、KCTDタンパク質が協同的に働いてGIRKチャネルからGタンパク質を引き剥がすことで受容体活性化に続く迅速な脱感作を誘導するというモデルを示す。これらの結果は、KCTDタンパク質によるGABABシグナル伝達の精密な時間的制御の分子基盤を解明するための枠組みを提供するものである。

