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構造生物学:IFNγ受容体複合体の構造から導かれたバイアス型アゴニストの設計構想

Nature 567, 7746 doi: 10.1038/s41586-019-0988-7

サイトカインのインターフェロンγ(IFNγ)は自然免疫と適応免疫の重要な調整因子だが、作用が非常に多面的であるため、免疫治療薬として使用される見込みは低くなっている。今回我々は、構造を基盤とする手法を使って、IFNγの多面的作用の切り離しを行った。まず、IFNγ受容体のリガンド結合鎖であるIFNγR1の親和性を上昇させたバリアントを作製し、それを使うことでIFNγ–IFNγR1–IFNγR2からなる完全な六量体(2:2:2)であるシグナル伝達複合体を得て、その結晶構造を3.25 Åの分解能で決定した。マイコバクテリア易感染症ではIFNγの応答性が失われているが、その基盤となる機構がこの構造から明らかになった。この疾患の原因であるIFNγR2のT168N変異によって、完全なシグナル伝達複合体の組み立てが障害されるのである。六量体である複合体のトポロジーから、IFNγバリアントの改変によってIFNγ受容体からのシグナル出力を調整するための基本的枠組みが得られた。意外にも、複数のIFNγの部分アゴニストが、偏りのある遺伝子発現プロファイルを示すことが分かった。これらのバイアス型アゴニストでは、主要組織適合遺伝子複合体クラスI抗原の発現上昇を誘導する能力は保持されていたが、多様なヒトがん細胞株でPD-L1(programmed death-ligand 1)発現誘導の障害が見られた。この結果は、治療に使用する目的でIFNγの免疫賦活機能と免疫抑制機能を切り離す手法につながると考えられる。

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