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生物地球化学:相対的な海水準上昇の1000年スケールの変動によって制御される湿地の炭素貯蔵
Nature 567, 7746 doi: 10.1038/s41586-019-0951-7
沿岸湿地(マングローブ、干潟、海草)は、全ての自然システムの中で、単位面積当たりで最も高い炭素隔離速度を維持している。これは主に、これらの生産力が比較的高く、堆積物の基質に有機炭素が保存されるためである。21世紀前半の沿岸湿地における有機炭素の埋設速度は、気候変動とそれに伴う相対的な海水準上昇(RSLR)によって増大するという説があるが、湿地が次第に水没し、炭素貯蔵が侵食によって損なわれるため、こうした炭素と気候のフィードバック効果は時間とともに減少するようにモデル化されている。本論文では、過去数千年間(約4200年前から現在までの後期完新世)に急速なRSLRを経た沿岸域の干潟の表面から20 cm以内の土壌中の炭素濃度は、海水準が長期間安定していた干潟より平均して1.7~3.7倍高いことを示す。この相違は深さとともに大きくなり、深さ50~100 cmでは土壌炭素濃度が4.9分の1~9.1分の1低下する。我々は、湿地の下にある鉱床における鉱柱の崩壊に伴う沈降後の急速なRSLRに最近さらされた湿地の応答を分析し、炭素の蓄積と湿地の高さの増大が、RSLRによって生み出された堆積空間(鉱物と有機物質の集積に利用できる空間)に比例することを示す。今回の結果は、テクトニクス的に安定な沿岸線に特徴的な沿岸湿地は、堆積空間が乏しいため炭素の貯蔵が少なく、炭素隔離は、RSLRによって形成される鉛直方向と横方向の堆積空間に応じて増大することを示唆している。そうした湿地は、全球の気候–炭素モデリングに関連する、長期的な緩和フィードバック効果をもたらす。

