Letter
量子物理学:捕捉イオンの機械振動子におけるキュービットの符号化
Nature 566, 7745 doi: 10.1038/s41586-019-0960-6
量子コンピューターの安定稼働には、単一量子ビット(キュービット)の情報がより大きな系のヒルベルト空間に重複して記憶される、という誤り訂正が必要になる。一般的にそうした符号化したキュービットは、多数の物理キュービットのアレイに基づいているが、調和振動子などのより高次元の単一の量子系を使っても実現できる。そのような系では、周期的に間隔の開いた位置固有状態の重ね合わせに基づく強力な符号化が考案されている。そのような状態の近似を実現するため、さまざまな提案が行われているが、まだ達成されていない。今回我々は、単一の捕捉された40Ca+イオンの調和運動の変位したスクイーズド状態の重ね合わせを使い、補助的な内部状態キュービットとの結合を通して機械振動子を制御・測定することで、そうしたキュービットの符号化を実証する。我々は、平均二乗忠実度87.3 ± 0.7%で論理状態を作成・復元した。さらに、単一キュービットの汎用論理ゲート一式を実証し、プロセストモグラフィーを使って分析した。パウリゲートでは、プロセス忠実度が約97%に達し、連続回転では、ゲートテレポーテーションを使って、約89%の忠実度が実現された。今回の制御方法によって、離散変数と連続変数の両方を使う連続変数誤り訂正やハイブリッド量子情報の方式を探究する道が開かれる。またコード状態も、量子センシングに直接応用でき、位置と運動量の小さな変位の同時測定が可能になる。

