Letter
光物理学:マイクロスケールの凹形界面における全反射と干渉による発色
Nature 566, 7745 doi: 10.1038/s41586-019-0946-4
顔料や染料によるスペクトル選択的な光吸収、物質特異的な光学分散、マイクロメートルスケールやナノメートルスケールの周期構造における光干渉など、多くの物理現象によって色が生じる。加えて、散乱機構、回折機構、干渉機構は、球形液滴に特有であり、光輪、光冠、虹などの大気現象の一因となっている。今回我々は、スペクトルの角度分離が大きい虹色の構造色を生み出す、これまで認識されていなかった機構を報告する。凹形光学界面での異なる全反射軌跡に沿った光の伝搬は、干渉して、鮮やかな色パターンを生み出すことができる。この効果は、可視光波長よりも数桁大きい寸法の界面で起こり、透明基板に凝結した水滴のように単純な系において容易に観察される。また我々は、この現象を、多相液滴、三次元パターンを形成したポリマー表面、固体微粒子などの複雑な系において利用して、理論予測と一致する虹色のパターンを生み出した。こうした制御可能な構造色はマイクロスケールの界面で生成するのが容易であるため、今回概説した設計原理と予測理論が、光学の基礎研究にも、機能性コロイドインクや塗料、ディスプレイ、センサーへの応用にも興味深いものになると我々は予想する。

