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化学:赤外光を用いる三重項融合アップコンバージョンによる光酸化還元触媒反応
Nature 565, 7739 doi: 10.1038/s41586-018-0835-2
最近の光酸化還元触媒反応の進歩によって、難しいさまざまな合成変換、重合、表面改質・修飾が可能になった。こうした反応は全て、紫外光刺激や可視光刺激を必要とするが、可視光照射の使用には本質的な課題がある。例えば、大半の反応媒体中の可視光透過率は非常に低いため、大規模反応において問題になる。さらに、反応物質と光触媒が入射光の吸収について競合する可能性があるため、反応の範囲が制限される。これらの問題は、さまざまな媒体(特に生体組織)への透過深さがはるかに深い近赤外光を使用することによって、克服できる可能性がある。今回我々は、光物理的な三重項融合アップコンバージョン過程(2個の低エネルギー光子が1個の高エネルギー光子に変換される機構)を利用して、赤外光照射下でさまざまな光酸化還元変換を実証し、この過程が広範な光酸化還元反応に適用できる一般的戦略となることを示す。我々は、増感剤と消滅剤をペアで扱うことによって、アップコンバージョン成分を調整して出力光を調節し、低エネルギー赤外光からオレンジ色の光と青色光を得た。さらに我々は、消滅剤自体が光触媒として使用できるため、反応を単純化できることを示す。今回の手法によって、低エネルギー赤外光を用いて、数種の不透明な障害物を通して高エネルギー変換触媒反応が可能になる。

