Letter

神経科学:光遺伝学による末梢神経調節のためのワイヤレス閉ループシステム

Nature 565, 7739 doi: 10.1038/s41586-018-0823-6

急速に発展しているバイオエレクトロニクス医療の分野では、末梢神経系を刺激することで臨床症状を緩和できる工学システムの開発を目標としている。こうした技術では、臓器機能や疼痛の神経調節を行うために、電気刺激に大きく依存している。1つの例としては、過活動膀胱や尿失禁、間質性膀胱炎(別名、膀胱痛症候群)を治療するための仙骨神経刺激が挙げられる。しかし、一般に行われている連続刺激プロトコルは、不快症状や疼痛を引き起こす可能性があり、これは突発性尿意促迫などの断続的な症状の治療で顕著である。また、電極と神経を直接物理的に連結させると、損傷や炎症の原因になり得る。さらに、典型的な治療用刺激器は、複数の構造を支配する太い神経束を標的とするため、臓器特異性が得られない。今回我々は、これらの制約を回避した小型バイオオプトエレクトロニクスインプラントを紹介する。このインプラントでは、(1)微小な無機発光ダイオードを利用してオプシンを活性化する光刺激インターフェース、(2)臓器機能を連続的に計測できる柔軟で高精度な生物物理学的センサーシステム、(3)リアルタイムで生じる病的挙動を除去するためのシステムの協調的な閉ループ動作を可能にする、制御モジュールとデータ解析手法を用いている。今回報告する例では、柔軟なひずみゲージにより、ラットモデルで膀胱機能のリアルタイムの情報が得られた。このシステムでは、データアルゴリズムが病的挙動を突き止めて、膀胱感覚求心路の自動化された閉ループの光遺伝学的神経調節によって膀胱機能が正常化される。この神経調節のための全光学的スキームは、長期的安定性を提供し、特定の細胞タイプの刺激を可能にする。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度