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進化遺伝学:変異型がんドライバーによる、加齢に伴う食道上皮の再構築
Nature 565, 7739 doi: 10.1038/s41586-018-0811-x
がんの発生には、加齢に伴って正常組織で認められるクローン性増殖が関与している可能性が示唆されている。しかし、こうしたクローン性増殖の経時的な変化やリスク依存性については、ほとんど分かっていない。今回我々は、食道から採取した682個の微小試料について詳細な塩基配列解読を行った。その結果、生理学的には正常と考えられる食道上皮においても、ドライバー遺伝子(主にNOTCH1)に変異を獲得したクローンが加齢に伴って進行性に増殖を来していること、また、この過程は飲酒や喫煙により大幅に促進されることが明らかになった。ドライバー変異を有するクローンは、幼少期から多発性に生じ、加齢に伴ってその数とサイズの増加を認め、著しい高齢者においては、食道上皮のほぼ全面がこれらのクローンで置換されるに至る。食道がんで認められる変異と比較して、生理学的に正常な食道上皮では、NOTCH1およびPPM1Dの変異頻度の顕著な増加が認められた。これらの変異は、思春期後期までに(早くは乳児期早期において)獲得される場合があり、多量の喫煙や飲酒により有意に増加する。ドライバー変異を有するクローンによる食道上皮の再構築は、通常の加齢に伴う不可避の結果であり、生活習慣のリスクに依存してがんの発生に影響を与え得る。

