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物性物理学:時間反転対称条件下における非線形ホール効果の観測

Nature 565, 7739 doi: 10.1038/s41586-018-0807-6

電気ホール効果は、電場を印加すると面外磁場の下で横方向電圧が生じる現象である。ホール効果の研究は、ベリー曲率やトポロジカルチャーン不変量の発見など、重要な進展につながった。磁性体は内部磁化を持つため、外部磁場が存在しなくても電気ホール効果が起こり得る。この「異常」ホール効果は、量子磁性体の研究に重要である。外部磁場を印加しない場合の非磁性物質における電気ホール効果は、時間反転対称性の制約から、ほとんど研究されていない。しかし、線形応答領域、つまりホール電圧が外部電場に線形比例する場合においてのみ、時間反転対称性の結果としてホール効果が等しく消失するが、非線形応答領域におけるホール効果はそうした対称性の制約を受けない。今回我々は、時間反転対称条件下で非磁性量子物質WTe2の二原子層膜の電気輸送において、非線形ホール効果を観測したことを報告する。我々は、磁場が存在しない場合、二原子層WTe2の電流によって非線形ホール電圧が生じることを示す。この非線形ホール効果の特性は、金属における異常ホール効果とは明らかに異なる。つまり、この非線形ホール効果では、一次(線形)ではなく二次の電流電圧特性が得られるとともに、異常ホール効果とは対照的に、縦方向よりも横方向の電圧応答がはるかに大きく、非線形ホール角(全電圧応答と印加電場がなす角度)が90°近くになる。さらに我々は、この非線形ホール効果によって、二原子層WTe2における層分極ディラックフェルミオンに起因するベリー曲率の双極子モーメントを直接測定できることを示す。今回の結果は、新しいタイプのホール効果を実証するとともに、非磁性量子物質におけるベリー曲率の検出方法を提示するものである。

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