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構造生物学:HIV-1エンベロープスパイクタンパク質による共受容体認識の構造基盤

Nature 565, 7739 doi: 10.1038/s41586-018-0804-9

HIV-1のエンベロープ糖タンパク質(Env)は、gp160の三量体である(gp160)3が切断されて生じたgp120とgp41からなる三量体(gp120 and gp41)3からなり、主受容体のCD4、それに共受容体(ケモカイン受容体CCR5など)の1つと結合して、ウイルスのエンベロープと標的細胞の膜を融合させる。これまで、gp120と共受容体との相互作用は、gp41の膜融合能の抑制を解除する最も重要な引き金であると考えられてきた。今回我々は、可溶性CD4および無修飾のヒトCCR5と複合体を形成した完全長gp120の、3.9 Å分解能でのクライオ(極低温)電子顕微鏡構造を報告する。gp120のV3ループは、CCR5の7本の膜貫通ヘリックスが形成するケモカイン結合ポケット内へと差し込まれ、またCCR5のN末端はCD4によって誘導されたgp120の架橋シートに接触している。CCR5はgp120にgp41に伝わるような明らかなアロステリック変化は引き起こさないが、Env三量体を標的膜のより近くに移動させる。gp120のN末端は、融合前のEnvもしくはCD4に結合したEnvではgp41によってしっかり捕えられているが、CCR5に結合したコンホメーションでは元に戻っていて、このことがgp41を不可逆的に不安定化して融合を開始させるのかもしれない。共受容体CCR5はおそらく、EnvのCD4によって誘発されたコンホメーションを安定化して細胞膜の近くに係留する働きをしているのだろう。これらの結果は、HIV-1の宿主細胞への侵入方法について解明を進め、ワクチンや治療薬を開発する際の手引きとなるだろう。

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