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地球科学:地球下部マントルにおける玄武岩質地殻の存在を示唆するCaSiO3ペロブスカイトの音波速度

Nature 565, 7738 doi: 10.1038/s41586-018-0816-5

高圧鉱物の音波速度を実験室内で測定し、観測される地震波速度と比較することによって、マントル深部の組成と構造の重要な情報が得られる。ケイ酸カルシウム(CaSiO3)ペロブスカイト(CaPv)は、マントルと沈み込んだ海洋地殻物質において、約560 km以深に存在する高圧相である。しかし、この相が大気圧下でクエンチができない(すなわち、室内条件で物理的に回収できない)ため、適当な測定用試料を得ることが不可能であることから、そのような深さに対応する温度圧力条件下におけるCaPvの音波速度測定はこれまで行われていない。本論文では、ガラスのバルク体から変換した立方晶CaPv焼結多結晶試料とマルチアンビル装置を用いて、マントル遷移層最下部の条件に相当する最大23 GPaと最高1700 KでX線回折と超音波干渉のin situ測定を行った結果を報告する。立方晶CaPvの剛性率は126 ± 1 GPa(1標準偏差の不確かさ)で、理論的予測(約171 GPa)より26%低いことが明らかになった。この値は、深さ660〜770 kmの温度圧力条件で、これまで予測されていた玄武岩質組成の音波速度よりもかなり遅い音波速度をもたらす。これは、下部マントル最上部に玄武岩質の地殻物質が蓄積されていることを示唆しており、660 kmより下部において地震波速度が遅いことを示す観測結果や、超深部起源の天然ダイヤモンド中にCaPvが発見されたことと矛盾しない。今回の結果は、沈み込んだ地殻物質の、マントル深部における存在と挙動の理解に寄与する可能性がある。

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