Letter

免疫療法:新たにグリオブラストーマと診断された患者への個別化ワクチン接種による能動免疫付与に関する臨床試験

Nature 565, 7738 doi: 10.1038/s41586-018-0810-y

グリオブラストーマ(神経膠芽腫)患者は現在のところ、チェックポイント阻害剤を用いるがん治療の最近の飛躍的進歩の恩恵を十分に受けていない。チェックポイント阻害剤を用いる治療が成功するには、高い変異荷重とネオエピトープに対する応答性が不可欠であると考えられている。グリオブラストーマでは、免疫細胞の腫瘍内浸潤は限られており、またこの種の腫瘍は30〜50程度の非同義変異しか含んでいない。腫瘍抗原の完全なレパートリー、つまり非変異抗原とネオエピトープの両方を利用すれば、より有効性の高い免疫療法となる可能性があり、特に変異荷重が低い腫瘍に効果があると予想される。今回我々は、Glioma Actively Personalized Vaccine Consortium(GAPVAC)のGAPVAC-101第I相臨床試験で、新たにグリオブラストーマと診断された患者の限られた標的空間を最善の形で利用するために、上記の両方のタイプの腫瘍抗原を使い、高度に個別化されたワクチンの接種を標準治療に組み込んだ。ヒト白血球抗原(HLA)-A*02:01もしくはHLA-A*24:02が陽性のグリオブラストーマ患者15人は、非変異抗原についてあらかじめ作製したライブラリーに由来するワクチン(APVAC1)の接種に続いて、ネオエピトープを選択的に標的とするAPVAC2の接種を受けた。個別化は、個々の腫瘍の変異およびトランスクリプトームと免疫ペプチドームの解析に基づいて行われた。このGAPVAC法は実現に適しており、アジュバントとしてポリICLC(ポリリボイノシン酸-ポリリボシチジル酸-ポリ-L-リシンカルボキシメチルセルロース)と顆粒球マクロファージコロニー刺激因子を含むワクチンは、好ましい安全性と強力な免疫原性を示した。非変異APVAC1抗原は、セントラル記憶CD8+ T細胞の持続的な応答を誘導した。APVAC2は、1型ヘルパーT細胞の予測されたネオエピトープに対するCD4+ T細胞応答を主に誘導した。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度