Letter

保全生物学:干潟の全球的な分布および軌跡

Nature 565, 7738 doi: 10.1038/s41586-018-0805-8

全球の海岸線周辺における人口の増加によって、沿岸生態系の広範な喪失、劣化、分断化が引き起こされており、重要な生態系サービスの提供が脅かされている。またその結果として、マングローブ、サンゴ礁、海草、コンブ林(藻場)、沿岸湿原の生態系の憂慮すべき喪失が生じている。しかし、潮間帯の全球規模のマッピングが困難なため、最も広範に及ぶ沿岸生態系の1つである干潟の分布および現状は、今なお明らかにされていない。今回我々は、全球における干潟の範囲および変化を33年間(1984~2016年)にわたってマッピングする70万枚以上の衛星画像を解析した。その結果、周期的に潮汐氾濫が生じる砂質、岩質、または泥質の平底として定義される干潟は、全球で少なくとも12万7921 km2(95%信頼区間:12万4286~13万1821 km2)を占めることが明らかになった。全球の干潟域の約70%は3つの大陸[アジア(全体の44%)、北米(同15.5%)、南米(同11%)]に見られ、49.2%がわずか8か国(インドネシア、中国、オーストラリア、米国、カナダ、インド、ブラジル、ミャンマー)に集中していた。数十年にわたる一貫した時系列を得るのに十分なデータを有する地域(東アジア、中東、北米を含む)では、1984〜2016年に干潟の16.02%(95%信頼区間:15.62~16.47%)が失われたと推定された。沿岸開発による干潟の広範な劣化、主要な河川から運ばれる堆積物の減少、河川三角州の沈下、海岸浸食の増加、海水準の上昇は、世界各地における干潟生態系の継続的な負の軌跡を示唆している。今回の高空間分解能データセットから得られた干潟の全球マップによって、あまり知られていないこれらの沿岸生態系の分布、軌跡、現状に関する我々の理解が大きく前進すると考えられる。

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